Newsletter_vol.34_November-2 2022

今週末は全国的に雨の予想ですが、皆様のところはいかがでしょうか。もう今年も残すところ、ひと月と少し。本当に日が経つのは早いです。1日1日を大切に過ごしていきたいものですね。

さて前回代表の山本より「食器は盛り付けられてこそ美しい」について投稿させていただきました。今回は、「骨董の器を使った盛り付け」について、シニアインストラクター東さんより投稿頂きました。

———————- Vol.34————————

器使いと盛り付け – 骨董の器編 –

皆様、こんにちは。
テーブルコーディネートを学んだ私たちにとって、器は切っても切り離せない存在ですね。私にとってのテーブルコーディネートとは、選んだ器にお料理が盛り付けられて完成するものと思っています。お料理好き、器好きなのでコツコツ集めた器達に、どんなお料理を作り盛り付けてコーディネートするかを日々の暮らしの中で考え楽しんでいます。

ここ近年、骨董の器のブームになっている様で、SNSなどでもたくさんの方がアップされていますね。私も大好きなので出会った時に少しずつお迎えしています。そんな中、私のサロンの生徒さんからよく聞くのが『せっかく骨董の器を買ったけど、実際にお料理で使いこなせない』というお声です。
そこで、今回は私スタイルの骨董の器使いと、盛り付けのいくつかをご紹介したいと思います。

【古伊万里色柄の場合】
絵を描くように、物語を作るように盛り付ける

骨董の器は美しい絵柄が多く、特に古伊万里色絵は金彩がほどこされ華やかな器が多いですね。美しいが故にお料理が乗るとなると難易度が高くなるようです。そんな器は、まずは気軽にお菓子に使ってみることをお勧めいたします。

この絵柄を生かし、栗きんとんをお山に見立て、あたかも麒麟が山をかけている様なイメージで盛り付けてみました。そんな話をしながらお客様にお出しすると、皆様「あらっ!」と笑顔になり思いがけずカンバセーションツールになったりします。

素材の色の組み合わせを考える

美しい色のお菓子にはシックな色柄のお皿を。地味な色のお菓子には華やかな色柄の入る器を使うと、お料理と器がお互いを引き立て合うコーディネートと盛り付けになります。

この組み合わせを頭にいれておくと、こんなふうにお料理にも活用できます。

◆絵柄を見せる盛り付け

季節を感じさせるお雛様の絵皿には、敢えてお雛様をチラリと見せるようにお料理を配しています。お節句の柄を楽しむ盛り付けは食卓を華やかに彩ってくれます。

【古伊万里染付の器の場合】
自分の感性で楽しく使う

藍色の染付はどんなお料理にも万能。使いやすく和・洋・中どんなお料理も受け止めてくれます。染付だけでコーディネートするのも素敵ですが、色絵のものと組み合わせて使うのも楽しいです。

【器の多様使い】
◆一つの器をいろいろなシーンで使う

今回はこちらの向付を使って実践してみます。

使い方や合わせるもの次第で、様々な用途と表情を見せてくれます。頭を柔軟に、色々な使い方や見立ても器の楽しみの一つです。

クリスマスには、華やかな古伊万里色絵のお皿にクリストフルのオーナメントボールをOnするのも素敵です。紅白の水引を結んで配する、和と洋の融合がスタイリッシュに決まります。

私STYLEの骨董の器使いのポイントは、和テイストとスタイリッシュな銀器やクリスタルとの組み合わせ。クリストフルやバカラなどと組み合わせるのも大好きです。最近では引き算を念頭に、お料理が乗った時に1番美しいコーディネートを目指しています。

そして、どの器でも言えることですが、とにかく使ってみること。大げさに考えず、普段の食卓の一品でも二品でも盛り付けにこだわって使っていると、だんだんと引き出しが増えていき、頭の中で器合わせや、器とお料理の盛り付け、献立の組み合わせが自然と出来るようになり、おもてなしの時に慌てなくて済むようになるかと思います。そして何より自分自身が楽しむ気持ちが大事です。

最後に私が秋冬になると作っているレシピを一品紹介いたします。

ささみと無花果の胡麻だれ

ササミ 小2本
無花果 2個
日本酒 大さじ3
塩 小さじ1弱

【ごまだれ】
練りゴマ(白) 大さじ1.5
砂糖 小さじ2
めんつゆ(市販) 適宜
※4人分

①鍋に1カップの湯を沸かし日本酒・塩を加える
②①の鍋に筋を取ったササミを入れ3分弱火で茹でそのまま冷ます
③ササミが冷めたら細かく裂き、もう一度茹で汁の中へ戻して冷ましておく
④ごまだれを作る
 練りゴマに砂糖を加えよく練り、めんつゆを少しづつ加えながら適度な濃度にのばす(つけつゆの濃度)
⑤無花果の皮をむき、一口大に切り分ける
⑥無花果の上に、汁気を軽く絞ったササミ→ごまだれ→すりごまの順に盛り付ける
※果物は柿やシャインマスカットでも美味しいです

まだまだゲストをお迎えしてのおもてなしが躊躇される風潮が続いています。私のサロンも暫くは再開する気持ちになれないのが現実です。それでも、家族のために食卓を整える喜びや、日々の暮らしを慈しむことの大切さをこのコロナ禍で教えられたような気がいたします。

最後に・・・
私スタイルの骨董の器使いや盛り付けが、少しでも皆様のテーブルや暮らしにお役に立てれば幸いです。

dining&styleシニアインストラクター
東 弘子