Newsletter_vol.35_December 2022

年の瀬、皆様いかがお過ごしでしょうか。どうぞ素敵にそしてゆっくりと良いお年をお迎えください。

今回は、古田織部の世界についてご紹介いただきました。どうぞご覧ください。

———————- Vol.35————————

織部焼 古田織部の世界

日本の歴史の中でも際立って魅力的に映る茶道、お抹茶は今や世界的にもカフェとして有名です。古田織部という茶人はその茶の湯の申し子であり、陶芸家として時のニーズをつかむ活動家でした。陶器は当時瀬戸焼が流行しはじめ、美濃焼へとつながっていきました。

千の利久が創作茶の湯を次々と実行していく裏で、早くも利休の美学とはまったく違ったファッショナブルに茶の湯を楽しむ茶人がいました。そしてそれを見て量産体制を構えた美濃焼が物語る「流行」の茶でした。この「流行」の茶の湯者たちを巧みに捉えて魅惑した茶人が古田織部です。

織部焼の造形は不整合かつラフに書かれている緑がモチーフで抽象的であり、伝統を表しているのもあれば創作だったり、統一感のない絵画でした。それが20世紀に欧米で流行した抽象的な油絵の流行より前の17世紀にそれを描いており、それほど当時の織部焼の食器のデザインは革新的だったそうです。。

古田織部はもともと土岐氏に仕えた家で信長、秀吉の家臣であった一方、利休の後をついで茶の湯に君臨し、芸術家としての業績を作りました。お抹茶も今では世界中に好まれている飲み物の一つになりました。古田織部の活動は努力の成果ではなく才能だったのでしょう。センスと個性が好機を見事にとらえて思い存分発揮し、名を残した一人でもあります。織部格の茶席の特徴は、厳しくも緊張感の伴う茶の雰囲気を和らげるところにあったそうです。

古田織部の400年前のストーリーですが、時を超えて今のおもてなしと共通する点がいくつかあります。日本人が伝えていった伝統は、形が流行とともに変わっても神髄は変わっていないということですね。

デザインだけでなくひとつひとつストーリーのあるアイテムを使うことで満足感が違い、見ていただく方も楽しめると思います。

お菓子:真盛豆(京菓子司 金谷正廣)

真盛豆は室町時代より代々伝わり、北野大茶会では利休亭にてお出しされました。 秀吉は「茶味に適す」と絶賛され、細川幽斎は「苔のむす豆」と例えたと言われている昔ながらの茶菓子です。

【懐石御膳お正月風アレンジ】

金箔に模様の入ったテーブルマットに金箔のお重です。年末お忙しい方はワンプレートおせちがおしゃれで便利です。黒いプレートだとおせち料理が引き立ちます。季節にあった和風懐石を箔一さんの金のお重に。スガハラガラスのグラスに盛り付けたのが紅白なますです。お正月料理に定番ですが、赤かぶといくらをトッピングしています。

今年のクリスマスは、大寒波到来でした。そのクリスマスでも、箔一さんのテーブルマット ターコイズブルーを使用しました。※ご参考

このテーブルマットは光の入り方によって色が変わります。昼間は光がはいってブルーグリーンで夜は紺色に近く見え、重厚感があります。一つのテーブルマットでもいろいろな顔があり楽しむことができます。

クロスはアレクサンドリアチュラポーの白、中央の刺繍が光って見え、引き立ちます。白のプレートはアトリエジュンコさんのプレートです。よく見ると凹みの部分が薄いブルーです。お花は光沢のあるアートフラワーを使用しました。イルミネーションがあるとより美しく幻想的に。

テーブルコーディネートを食事だけでなくインテリアとしても、楽しんでみてください。
インストラクター 牧野恵美子